「シン読解力」新井紀子著(「東洋経済新報社)2月末に発売されています。

前の2冊に続いて、出た解決編?いつものように即買い・即読みしました。
今まで3回、このブログでも取り上げましたが、生徒の読解力の劣化はますますひどい状態になっているのであろうと推察できます。
二極化している上位の方は「大丈夫!」と思えるのですが…「ヤバいな💦」と思わされる生徒が、進学女子だけのアテネでもやや増えた気がします。
「おんぶ」「抱っこ」と言って座り込む幼児のように「分からない」と言ったきり固まっている生徒には、本当に苦労します。
新井先生はシン読解力を養うには、学校以前にまず基礎になる語彙の多寡と生活体験の必要性を説いていらっしゃいます。(幼児期~学童期における、読み聞かせや唱歌など) 拙著「戦闘系教育論」にも、子どもにお家のお手伝いをさせて下さい…と書きましたが、生活の実体験=リアルがますます希薄になっているのですね。
また、学校で子どもが字を書く量が少なすぎる(←「2Bの鉛筆」が教えてくれたこと…より)のは、本当に子どもの能力が育たない要因です。
また「教科書〇〇ページの『△△の値』を求めて、表に書き入れましょう」という先生の指示に対して「○○ページ」の聴き取りで5%脱落、教科書のページを開くところでさらに10%脱落、『△△の値』が何のことかわからずまた10%脱落…が、新井先生が観察された中学1年生の授業の実態だったそうです。
ざっと見積もって、普通の公立学校だと、本丸の課題の至る以前に半数がつまずいている…とのことでした。
けれども、希望の感じられる内容もありました。RST(リーディングスキルテスト)を自治体ごと導入されているところでは、統計的にも有意な効果が見られたとのことです!!(RSTの成績と、高校進学先は驚くほどリンクしています。実際、簡易なテストを前著と本著で受けてみた私には、非常に納得できることです。また、大人も読めていない人が多いのは明らかなので、子どものことに限りません。)
兵庫県も、神戸市も、未だRST導入の話は聞きません。
子どもの将来に関心のあるすべての方におススメしたい本です。
保護者世代の方も、シニアの方も、一度ぜひ、RSTに挑んでみてください!
神戸市灘区(六甲と六甲道の間)で、小学4年~高校3年の女子対象に個別指導を41年続けている
ATHENE(アテネ)の塾長 櫻井久仁子
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