2020年度の小学教科書改訂では、英語の教科化、プログラミングの導入などが派手に取り上げられて、算数で起こった一見小さな変化は、あまり話題になりませんでした。
けれども、従来からの主要教科である算数の変化は重要な意味があると思います。ゆとり教育(悪名高い?円周率3…)で、すっかり薄っぺらになっていたのが、今また反動で、どんどん上から下に降りてきています。その流れの中で「アレっ?」と思ったのは、資料の活用の単元がかなり手厚くなっていることです。

今までならば「面倒だけど、ちょっと平均の計算もしてみてね…」という感じで、さらっと終わっていた印象があります。けれども、新しい内容では、データの散らばりを表すドットプロットが登場して、度数分布表もしっかり載っています。ここでは、データの階級「…以上~…未満」をきちっと理解して表を読む必要があります。また、中学で習っていたモード(最頻値)メジアン(中央値)も問われるため、小学生にはなかなか厄介のようです。

(同じ系統で、中学の数学には、高校の数学Aにあった、箱ひげ図などが下りてきました。) この流れは結局、文系理系を問わず「データが読めるように」なることを求められている…ということではないでしょうか?以前、小学生の算数③で書きました、グラフや図表がきちんと理解できないと、社会や理科で理解が進まない…というのと、ほぼ同じことです。

昔から「読み・書き・計算」は学習の基本と言いますが、算数→数学はこの三つの基本スキルをフル活用する教科なのです。

神戸市灘区(六甲と六甲道の間)で、小学4年~高校3年の女子対象に個別指導を37年続けている
ATHENE(アテネ)の塾長 櫻井久仁子